🚩4/16-4/19 読書期間
『炎の塔』
五十嵐貴久さん
五十嵐さんはリカシリーズを読んでから嵌りました。とは言いながらもまだ5作品目ではありますが…。
炎の塔は前から気になっていたのですが、ハードカバーだったので中々手が出なかったのですが、文庫化されたので、発売日早々に本屋さんに直行しました。
いやー。手に汗を握るような小説を久々に読んだ気がします。それくらいハラハラドキドキでした。
映画「タワーインフェルノ」の影響を受けて描いたそうなのですが、そもそもその映画が流行っている時代にはまだ生まれてませんでしたので、この映画は全く知りません、、。
主人公は夏美という女性の消防士さんです。
銀座では 高さ450mを誇る日本一のタワーファルコンタワーがオープンします。
そこでとんでも無いアクシデントが…
なんとこの日本一のタワーで大火災が起きるのです。
ファルコンタワーは100階建てになっており、
しかも、その最上階の100階には800人もの人が取り残されていました。
オープン初日なので、想像はつきます。
気になるこのファルコンタワーの責任者で鷹岡という人が登場するのですが、まあこの人にはイライラさせられましたね。
先ず第一にお客様のことを考えるのが普通ですが、自分のことばかりしか考えられない責任者で、気にくわないことがあるとすぐ馘にするという最悪な責任者でした。
このファルコンタワーでの火災も事前に異常にセンサーが稼働しており、責任者に報告が行っていたのですが、最先端の技術だからを理由に、目を背けていたのです…。
恐ろしいです、、、
文中にあった印象に残った言葉です。
道路を歩いていても、車は突っ込んでくるかもしれない。家に閉じこもっていても地震で崩れるかもしれない。可能性の話を言い出せばきりが無いというのはその通りだが、その考えが危険なのではないだろうか。
彼らはタワーを信頼し自分たちの身には何も起きない。自分たちの運命を信じている。
絶対ではない、どのような災害も時と場所を選ばない。いつどこで起きるのかは誰にも予測不可能なのだ。と
確かに、東北大震災もそうでしたが、誰も予測することは出来ませんでした。
出来ることと言えば“もしも”の時に備えて準備するぐらいではないかと感じます。
が…。
このファルコンタワー。
防災設備が備えつけてありましたが、あらゆる設備が故障し、なんとプール室には大量の塩酸が、、、
なんとなく嫌な感じはしていたのですが、こうくるとは思いませんでした。
ネタバレなので書けませんが。
消防士の夏美はどこまでひとを救うことが出来るのか、そして、夏美本人は命を落とすことなくタワーから脱出することが出来るのか。
ここのファルコンタワーには、恋人や老人夫婦、親子連れ、芸能人など、様々な人たちが訪れており、それぞれの物語が繰り広げられています。
その中でも老夫婦の話に思わず涙してしまいそうでした。
FLAM3からの後半にかけて目が離せなくなります。
こんなに臨場感溢れる素晴らしい作品を書いて下さった五十嵐さんに☆5つあげたいです。