🚩4/10-4/15 読書期間
『犯罪者 下巻』
太田愛さん
上巻に引き続き下巻も迷わず購入してしまいました。
上下巻で約900頁もあった中あっと言う間に、読み終えてしまいました。
通り魔殺人事件から繋がる、食品会社の闇。
ベビーフードのサンプル一つでなんでこんなに多くの人が犠牲にならなきゃいけないのか…と。←色々な意味で
下巻は凄惨なシーンが多くて、思わず目を塞ぎたくなってしまう場面もありました。
そして上巻に引き続き目が離せない主人公3人組。このコンビの行動に何度ハラハラさせられただろうか、、今回も読者の期待を裏切らない素敵なコンビでした。
それにしても、滝川は本当に恐ろしい人で人間性を疑いました。この人にどんだけ振り回されたか。
個人的に一番苦しんだのは真崎さんと中迫さんだと思いました。
中迫さんはタイタスという組織の中で真実を知ってしまったし、真崎さんは目を離した隙に息子を失ってしまった。
この2人の立場にたって考えたら、真実を誰かに打ち明けるのは当たり前のことだと思うし、その打ち明けた相手に裏切られたらと思うと。
しかもその裏切った相手は子も奥さんも失いどんなに辛い思いをしたか、、
他人の子まで考える余裕が出来るのは余程の決心が必要なのではと、、
二人の心境を考えたら読んでいるのが辛かったです。
タイタスフーズのサンプルを口にした子供とその子供たちを支える親たちの気持ちを考えたら
絶対に許せないことだと思います。
中迫さんがいてくれて良かった。
*印象に残った言葉
・勝負に負けた時どうすべきか知っていた。負けた真実を受けとめ、次に、これから自分に出来る最善のことを考え、それを実行する。
・運の恵まれない人間というのはたいてい自分の気づいていないところで何か原因をつくっているものだ。
・出来上がった組織の中では生きづらい。かといって一人で胸張って生きていけるような何かがあるわけではない。そういう自分達でも出来ることはある。
・咀嚼するという行為は脳に酸素を送り血流が良くなるらしい。
・生きてさえいれば人は前進出来る。
太田愛さんの幻夏、犯罪者を読みましたが、
3作目の天上の葦も早速気になってしまっています。
私が読んだ2作は今起きてる出来事を描いてるそうですが、なんと、天上の葦はこれから起きる出来事を描いてるそうです。
犯罪が真ん中にあるストーリーを描いた犯罪者。様々な因果関係が絡みあって出来たストーリーになっており、何より長さを感じさせない。
脚本家さんだけあって一人一人が、繊細に表現されていて、今にも映像のように浮かび上がってきそうな作品でした。
余韻に浸っており暫くは抜け出せなそうです。