🚩3/29-4/1 読書期間
『朽ちないサクラ』
柚月裕子さん
柚月さんは『最後の証人』を読んだのをきっかけに好きになりました。
どんでん返しが堪らないんです。
今回読んだ作品はがっつり警察小説でした。
ストーカ事件で長岡愛梨が殺害された所から話は進みます。
しかし、愛梨の両親から被害届けが出ていましたが平中署は中々被害届けを受理しませんでした。
主人公の泉は警察学校の同期だった平中署の磯川から北海道旅行のお土産を貰った話を高校時代の友人千佳に話してました。
しかし、被害届けを受理しない間に平中署の連中が慰安旅行に行っていたことを泉は勘付いてしまいました。。千佳は記者だったので、絶対に口外ししないようにと念を押しました。
しかし、千佳に話した翌日…記事になっていたのです。
泉は千佳が口外しをしたことを千佳に問い質しました。しかし千佳ではないと千佳は言い張ります。
この事件には裏があると泉に告げた数日後に千佳は遺体で発見されます。
親友を失った泉は千佳の無念を晴らす為にこの事件を磯川と共に調べ始めます。
そこで明らかになるのは、恐ろしいものでした。ネタバレになるので書けませんが…
この作品のタイトルにあるサクラ。
意味が分かると怖いものです。
ありとあらゆるものを守る警察ですが、職務をまっとうする為にはどのような手段を使ってでも、行動を起こす事実に何ともいえない気持ちになりました。
最終章に入る前になんとなく変だなとは思っていたのですが…。
勧善懲悪を期待している方には向かない作品かもしれません。
個人的な意見ですが、あまりスッキリしない感じでした。
*印象に残った言葉
・人間は不満が溜まり自分を制御出来なくなると過ちをおかす。
・犠牲の中に治定があってはならない。
・薫風や蚕吐く糸にまみれつつ
渡辺水巴さんの俳句です。
物事を重く悪く捉えるのか良い風に捉えるのかは受取る人次第で、重く捉えれば精神も病んでしまい、新しいものは何も見えませんが、薫風の中に置いてみることで新しいものも見えてくるのではないかという意味のものだそうです。
泉の今後の活躍を祈るばかりです。