🚩5/17-5/21 読書期間
『森に眠る魚』
角田光代さん
角田さんの作品は人間関係にうんざりした時に読みたくなります。
この作品は1999年に起きた幼児殺人事件をモチーフにしているそうです。
主人公は5人の母親達。
所謂ママ友ってやつです。
昔何かのドラマで見たのと似ていました。
受験絡みになると豹変する母親と、その圧に耐えられずに体調を崩す子供。
受験となるとママ友だった筈がいつの間にか、敵対視してしまうのですね。
読んだ後解説を読み気づいたのですが、母親の年齢は一切書かれていないことが分かりました。
母親達もそれぞれの価値観があり皆同じではないということ。
猜疑、不安、怒り、嫉妬、嘘、が上手く描かれています。
考えすぎなのではないのか?というくらい人間の暗い部分を深く掘り下げていっています。
ママ友ってこんなに付き合いが難しいのかと思ってしまう程でした。
自分は受験勉強というものとは無縁だったので、小さい頃から子供に受験のことを考える親もいることに驚きを感じました。
小さい頃から勉強して、将来が幸せになるかというわけでもないと思いますが、だからといって全く勉強しないで大人になった人が裕福な生活を送っているかと聞かれればそうではないかもしれません。
・相手が自分を否定しないとわかってる時だけ人はなんでも言えるのだ。〜作中より〜
読む人によって思うことは様々な気もしますが、、。
人間関係について色々考えさせられました。
平凡な日常生活を送る中で暗い部分はあまり口にしないですが、角田さんはその暗い部分を上手くサラッと書いていて共感出来るのと同時に、自分のストレスなんてちっぽけなんだと考えさせられます。
・世界が終わるようなショックを味わったとしても世界は終わらないのだ。残酷な程正確に日々はまわる。〜作中より〜
他人に流されず人は人自分は自分と割り切ることを大切にしていきたいと思いました。