🚩6/14-6/17 読書期間
『万引き家族』
是枝裕和さん
カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞された作品、、ということで気になり購入してしまいました。
🏠
主人公→祥太
祥太の妹→凛
父→治
母→信代
祖母→初江
信代の腹違いの妹→亜紀
ひっそり影で暮らしている6人家族ですが、
実はこの家族かなりの訳ありで実は血が繋がっていないのです。
治と祥太は大家族であるこの家庭で食をつなぐ為に“盗み”を働いています。それが2人が言う“仕事”でした。
当然血が繋がっていないだけあって親も親だなと思ってしまいます。
のらりくらりし過ぎです。
そんなこともあり主人公の祥太は信代のことをお母さんと、治 のことをお父さんと呼べないのです。
登場人物達は過去に虐待などで酷い境遇で育ってきているので、この家族でしか分かり合えない何かがあるんだと思いました。
貧しく、血も繋がっていない赤の他人が集まった家族ですが読んでいてどこか温かいものを感じます。
カップラーメンを作る待ち時間にコロッケを蓋にのせて温めるシーンも微笑ましかったです。
しかし、“仕事”がいつかバレる日は必ず来ます。
それがバレることにより、思い描いていた“家族”というものの感覚がそれぞれ違っていたことに気づくのです。
家族の絆とは一体なんだったのでしょう。
やっぱり所詮赤の他人にすぎなかったのかと…
ですが、自分は絆が失われたことを信じることが出来ず、失った哀しさでなんだか心にぽっかりと穴が空いてしまったような気分でした。
隠し事が無くなり、今後の祥太のことを考えるとこれでよかったのかもと思う展開でしたが、凛の今の境遇を考えると…
最終章で凛があの温かい家庭を思い出し、ビー玉を数えるシーンには胸苦しいものを感じました。
幼い凛ちゃんの叫びが誰かに届けばいいのに…
ただただそれを願うばかりでした。
映画で見たら泣いてしまいそうな作品です。