*my小説日記*

読書記録

🚩5/2-5/4 読書期間

『沈黙のエール』

横関大さん

 

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初読み作家さんです。

 

“号泣ミステリーの大本命”という帯に惹かれて即購入してしまいました。

 

朝宮里菜は恵比寿の有名洋菓子店に勤めていました。

 

彼女が洋菓子店に勤務にするまでに、姉の日菜の存在が大きく影響したようです。

 

日菜は19という若い歳で病魔に襲われこの世を去ってしまいます。母も体が弱く胃癌でこの世を去っています。姉の体の弱さは母譲りだったみたいです。日菜は父の朝宮洋菓子店を継ぎたいという強い意志がありました。

 

朝宮洋菓子店は昔さながらのお店で、父は長男の克己の野球試合や、近所の人などにシュークリームを配っていました。

 

そのシュークリームを食べた誰もが頰をほころばせる程のものだったらしいです。

 

 

ある日突然里菜の元に陽介という少年が訪ねてきます。それに続き自宅である朝宮洋菓子店が放火に遭い、父と昔野球の監督をしていた矢野が何者かによって殺害されます。

 

父が殺害されてすぐに兄の克己が自宅を取り壊し何かを立て直します。

 

兄は野球一筋の人間で野球推薦での進学も決まっていましたが、暴力沙汰を犯し推薦が取り消しになってからは放蕩生活を送っていました。

 

そんな兄が殺人容疑で任意同行を求められますが後半からストーリーは一転します。

 

事件解決の鍵は里菜を訪ねてきた陽介君にありました。

 

率直な感想ですが、殺人犯の心理は本当に狂ってると思いました。自分勝手過ぎて周りが見えてない…と。

 

犯人が明らかになるにつれ、家族の秘密も明らかになっていきます。

 

里菜にだけ秘密にされていた真実とは⁉︎

 

秘密にしていた事の裏には家族の優しさが隠されていました。

 

夢を持つ子の為に男一筋で三人を育ててきた父の思い、これこそが大号泣ミステリーの大本命なのだと思いました。

 

 

*印象に残った言葉*

 

・悪いことばかりは続かない。

 

・チャンスというものは掴める時に掴んでおかないと、五年後か十年後か分からないけど必ず後悔する時が来ると。

 

・人間がとる行動には必ず理由があるのだ。

 

因みに私はシュークリームの皮が苦手です 泣

 

大号泣とまではいきませんでしたが、がっつりミステリーと思いきや、恋愛要素も若干ありで、切ない要素、ほっこり要素、横関さんはもしかして読者の色々な感情を揺さぶるのが上手いのでは?と感じる一冊でした。

 

この機会に他の作品も読んでみたいです。