🚩9/2-9/7 読書期間
『水やりはいつも深夜だけど』
窪美澄さん
初めて読む作家さんでした。
表紙の可愛さに惹かれと言いたい所ですが、
中身は人間の生きていく上での生々しさが描かれています。
どちらかと言えば婚約者が読むべき話なのかもしれませんが、そんなこともありませんでした。
結婚生活を送る上で、女性も男性も色々と不満が生まれることもあるでしょう。
その生活の中で口には出せませんが思っていること、不満、不安などが上手く描かれています。
ああ、きっと自分もいつか結婚する時がくるとしたらこんな気持ちにもなるのか…という思いで読み進めました。
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人が食べ、寝て、生活することにどれだけの時間と手間が必要か?
食べれば汚れた食器が出る。水回りは放っておけば汚れる。洗って干した洗濯物は、誰かが箪笥にしまわないといつまでも部屋の隅に重なったままだ。
そういう目に見えない仕事に気づいたのだ。
〜作中より〜
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普段当たり前のことだと思っていることが、当たり前でなくなった時に初めてことの重大さに気づくのだと感じました。
この作品は6つの短編集になっているのですが、どの作品もジーンと来ます。
主人公1人1人が何か問題を抱えていて誰にも話せず、まるで、読者に語りかけてくるようで、、
ああきっと誰もがこのような問題に直面しているんだなと。
それに窪さんの文章がとても綺麗で。
不思議と1人じゃないんだって、勇気づけてくれる作品でした。
女性にオススメですが、サボテンの咆哮は男性の方にもオススメできると思います。
窪さんの文章の美しさに圧倒されたのと、初めて読んだ形態の作品で他の作品も読んでみたくなりました。