🚩4/26-4/29 読書期間
『天上の葦 上巻』
太田愛さん
文庫化されるまで待てず、ハードカバーで買ってしまいました。
この作品レア品なのか地元の本屋さんでは取り扱いがなく、都会の書店までわざわざ足を運び買いに行ってしまいました。笑
今回は渋谷のスクランブル交差点で蒼穹を指差し、亡くなった老人の話です。
その様子はお天気ニュースでスクランブル交差点が映された時間と重なり、全国放映されてしまいました。
“あっちむいてホイおじさん”
皆からそう呼ばれ話題になりました。
そこで、いつもの3人が犯罪者で色々と振り回された人物の依頼で、一千万円を差し出され、老人が蒼穹を指差した理由を探り始めます。
制限時間はおよそ二週間。思わず「無理だろ」と口に出してしまいそうでした。上巻ですが、話の進展が早く一旦読み始めるともう止められなくなる程でした。
気づけばあの分厚さを3日で読み終えていました。
この作品は戦争の話が出てきますが、イマイチピンと来ず、知らないことばかりで勉強になります。
戦争を乗り越えた人々たちが居なければ今の自分達は居ません。
このことは絶対に頭に入れとかなければならないことだなと思いました。
*印象に残った言葉*
・組織とは事の是非に拘らず恭順を示す者をその一員と認める。
・人は、亡くなった人のことを死ぬまで忘れることはない。その人のことを思い、その人に話かける。そういう時その人は向こうにいるのだと思った。
・自分も歳をとって、大切な人がこの世からいなくなってしまったら、自分自身もこの世からいなくなることも、もしかしたら地面に引かれた線をひょいと跨いで向こう側にいくような何でもないことに感じられるのかもしれない。
・「あなたは騙されている」と教えてやった時騙されていた人間は自分の信頼を裏切った人間を憎み、同時に真実を教えてくれた人間を信用する。そうやって手に入れた信頼を拠り所に真実の密告者は、騙されていた人間を今度は自分の利益のために騙して利用する。
→詐欺から諜報、政治活動までしばしば使われる手だそうです。
・重要な事柄を急いでメモすると筆圧は通常より濃く強くなる。
→これを相馬が鉛筆で塗りつぶして暗号を解読しようとする姿は流石刑事だと感心していました。
・はいを2度繰り返すのは真剣に聞いてない証拠である。→そう言う人良く見かけるような…笑
今回の舞台となっている渋谷のスクランブル交差点。青信号時は46秒で3000人もの人が一回に渡るそうです。流石都会、考えられないです。
今回も調査しながら、逃げて、逃げまくりの3人組なので、ハラハラ感が凄いです。
下巻でどう話が進んでいくのか期待です!