🚩1/31-2/10 読書期間
『幸せになる勇気』
岸見一郎さん
『嫌われる勇気』に続く2作品目。
アドラー心理学を青年と哲人の会話で読み解いていきます。
2作品目で完結されてしまう点は残念です。
1作目、2作目を読んだ中で2作目の方がインパクトが大きかった気がします。
今まで何作か自己啓発本を読んできましたが、良いとは思っても内容を忘れてしまうことが多々ありました。
ですが、アドラーの言葉は自分の中で残るのと同時に改めて自分について色々と考えさせられました。
特に印象深いシーンがありました。
アドラーが精神疾患を患う一人の彼女と向き合います。アドラーは彼女に話しかけますが彼女は黙然としたままです。ある日彼女はアドラーに対し感情を露わにします。この時アドラーは精神科医として彼女に向き合うのでは無く彼女を一人の友達として向き合ったと言います。
これは、自分は仕事をどのような態度で取り組んでいるのか⁇を読者に問いかけているのです。
時々私も思うのです。仕事をしていて、褒められることもなければ、誰かに貢献してるのかも分からないと。
ですが、アドラーは言います。褒める行為は能力がある人が無い人に対し言う言葉であると。
だからこそ、褒められて満足するのではなく自分が貢献したことに満足できるようにすることが大切だそうです。
これは確かにと共感してしまいました。
他にも一頁一頁、心に響く言葉で溢れています。読み進めていく内に段々と心が軽くなっていきます。
今まで何でこんなことで悩んでたんだろうって思うことが全て綺麗さっぱり無くなりました。
アドラーは言います。“全ての悩みは対人関係の悩みである”と。
アドラーが全ての悩みの改善策を読者に教えてくれます。
仕事、恋愛、人間関係に疲れた人にオススメの作品です。
🚩1/5-1/30 読書期間
『ウェディングプランナー』
五十嵐貴久さん
またお久ぶりの投稿になってしまいました。
今回はお仕事小説、ウェディングプランナーであるこよりが結婚に立ち向かうお話です。
休む暇もなく人々を幸せすることだけを考えるお仕事ウェディングプランナー。
失敗は許さない、経験とお客様の相性が何より大事になってくるそう。
約千組のお客様と向き合い、仕事である程度のことを想定出来るようになり、指名もされる程になったこより。
しかし彼女は結婚を目の前に控えていました。
“マリッジブルー”
結婚を目の前にした女性が陥る不安なことらしいです。
彼女は結婚を目の前に元彼が現れて動揺してしまいます。
確かに、結婚とは女性にとって人生最大のイベントだと思います。
色々悩むことも多いでしょう。
今まで仕事でそういった女性を見てきたこよりですが、見事に自分がマリッジブルーに陥るこより。
結婚式までの辛抱。結婚式を迎えてしまえば、不安も呆気なく消えてしまうだろう…と。
そしていよいよ仕事の仲間、家族友達、から温かく迎えられた結婚式当日。
五十嵐さんの小説なのでこのままでは終わらないだろう…と思ってた最終章。
やっぱり見事にやってくれましたね。
読者の期待を裏切らない、展開に持ってきてくれました。
この展開はやっぱり五十嵐さんにしか書けないと思います。
この展開に賛否両論の意見があるみたいですが、本当の幸せの意味を考えるとこの展開は素晴らしいものではないのかと思ってしまいました。
男性の皆さんにも読んで欲しいなって思います。これを読めば結婚を目の前に控えてる女性を安心させられることは間違いない思います。
と、いいつつも私も結婚を無事迎えられるのか…と改めて考えてしまいました。
まだ遠い先の話かもしれません。
でも時々もし結婚したら何がどう変わるのだろうと思うこともあります。
3人に1人が離婚するってことが書かれてたことに驚きを感じました。
結婚とは…お互い幸せを誓い時に意見が割れた時はどちらかが譲歩しなければならない、そうやってお互いを支えていくものだと思いました。
長い間共に過ごすって難しいことなんだと思います。
本当の幸せとは何なんだろうと改めて考えさせられる作品でした。
🚩1/1-1/4 読書期間
『恋火』
田中渉さん
新年明けましておめでとうございます。
久々の投稿になってしまいました。
この作品はどこの本屋にも取り扱いが無く、
出版社に問い合わせて貰いましたがもう取り扱いがなくまさしく絶版状態で探すのも諦めていましたが、なんと仕事帰りの古本屋で見つけるという奇跡が起きてしまいました。
なのでじっくり大切に読ませていただきました。
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リストラになったピアニストと健太町を元気づける為に活動している香夏子の二つの話が交錯しているストーリー構成になっています。
ピアニスト健太はある女性ピアニストの演奏を聴いたのをきっかけにピアニストを目指しましたがリストラに遭い安い居酒屋で酔い潰れていました。
記憶も曖昧のまま出会ったのはアロハシャツを着た謎の男でした。彼は「天国で本屋を営んでいる」と、意味不明な説明をし勝手にその場で彼を採用しました。
早速働き始めた健太ですが、お仕事は読み聞かせなど単純なものでした。
ある時一人の女の人がふらっと訪れて読み聞かせをお願いしてきました。
読み聞かせの途中で苦しみ始め耳を塞ぎこむ女性…この女性はピアニストでした。
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昔商店街が賑わっていた頃小さな花火大会が行われてました。その花火大会は特別なもので、その花火を見たカップルは結ばれるというものでした。その花火の名は“恋火”と呼ばれており人々からも人気があり愛されてました。
ですがある日を境に花火大会は無くなってしまいます。
町の商店街はビルが建ち始め、廃れていっていました。なんとか町を活性化させようと実家で飴屋を営む香夏子が立ち上がります。「また恋火で町を活性化させよう」と…
香夏子は恋火をつくり上げた職人に出会いますが「もう作ることは出来ない」といいます。
なぜ⁇その理由は、花火の職人さんと女性ピアニストお互いの理由にありました。
…
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思いはすれ違っていたというか、勘違いというか、、。
現世と天国場所は全く違う所ですが、最後はお互いの思いが届いていることを祈るばかりでした。
誰かの為を思って仕事をすることで、周りの見え方も変わってくるということ。
誰かを思う気持ちを大切にし、誰かのために何かをすることが、こんなに素敵なことなのかと実感させられる作品でした。
🚩12/1-12/2 読書期間
『鏡の中の弧城』
辻村深月さん
辻村さんは凍りの鯨以来です。自分でも合わない作家さんだなーと思っていて読むことはもうないなとは思ってましたが…
妹から誕生日プレゼントでこの本を貰い読んだ後この思いは払拭されてしまいました。
率直な感想で言うと、もう一度読みたい。
ミステリーを読んでいるような、おとぎ話を読んでいるような錯覚に陥ります。
小さい頃童話をよく読んでいた人には話の展開が分かってしまうかもしれません、
主人公は学校に行けてない生徒達が、集められます。
主人公達は鏡の中が光その中へ招待されます。
その中はおもちゃのお城のようで、それぞれの主人公達に部屋が分け与えられていました。
ただ一人このお城に住むおおかみ様が主人公たちに「5時以降にこのお城に居たら喰われてしまう」と言うのです。
お城には願いが叶う鍵が隠されており、
それを見つけることで自分の願いを叶えられると言いますが、ここで過ごした城のことは忘れてしまうといいます。
期限は3月30日…
それ以降は城も閉まってしまうと言うのです。
主人公達は何らかの理由をかかえてここに招かれました。
しかし、主人公達には同じ共通点があるにも関わらず何か話が噛み合わない。
…。
言語能力が無いのでうまく表現出来ませんが、
まるで次元を越えたゲームをしているようで、自分も操られているのではないかと思う程ワクワクさせられました。
あー成る程これが本屋大賞か、と久々に満足できる作品に出会えました。
🚩10/17-11/3 読書期間
『嫌われる勇気』
岸見一郎さん
久々の投稿になってしまいました。
仕事を通じて知り合った研修の先生からオススメされた作品です。
今まで読んだことない系統の本だったので思っていた以上に読むのに時間がかかってしまいましたが…
読んだ後にスッと気持ちが軽くなりました。
なんだか、自分が生まれ変わったような気分を味わうことが出来ました。
題名からして手に取りづらい本だと思いますが、何故だか自分の悩みがちっぽけだったんだなと思える程でした。
全ての悩みは“対人関係”と繋がっているそうです。
特に衝撃を受けた言葉がありました。
今失敗して落ち込んでいるのは、過去のせいだ…あの時ああしてれば…あの人がああだからと…人はどうしても成功出来無い理由に結びつけてしまいがちです。
しかし哲人はこう言いました。
“単純に一歩踏み出すのが怖い、また現実な努力をしたくない。いま享受している楽しみー例えば遊びや趣味の時間ーを犠牲にしてまで、変わりたくない。つまりライフスタイルを変える「勇気」を持ち合わせていない。多少の不満や不自由があったとしてもいまのままでいた方が楽なのだ”〜作中より〜
言うな…と思いました。
青年と哲人の会話で描かれている本書ですが、まるで自分に言い聞かせているようで。
言葉では上手く伝わらないかもしれませんが、これがまた凄いんです。
哲人が青年に投げかけた一つ一つの言葉が胸にささるのです。
言葉の力にこんなに救われる自分がいることに驚きでした。
今憂鬱な気分だ。自己嫌悪に陥っている人に是非オススメな一冊です。
もっと早くこの本に出会ってれば良かったです。
研修の先生に感謝したいです。
🚩10/9-10/17 読書期間
『燃えよ剣 上巻』
司馬遼太郎さん
「壬生義士伝」を読んでから、新撰組についてもっと知りたくなってしまい時代物ばかり読んでいる気がします。
あれ程時代物を敬遠していたのに不思議なものです。
一度ハマるとやめられないとはまさにこのことを言うんだなと思いました。
今回手に取った作品「燃えよ剣 上巻」は新撰組のファンにはたまらない作品らしく、評判も良いみたいだったので迷わず購入してしまいました。
壬生義士伝では剣が強いイメージとしか印象が残りませんでしたが、この作品は土方歳三さんを中心に描いているので知らない性格を存分に把握することが出来ました。
局長の近藤勇さんの右腕だったとか…
喧嘩が好きで、荒々しい性格な土方歳三さんですが、時に俳句を詠んだり可愛らしい姿も垣間見えたり、なんだか意外でした。
新撰組に対しては強い組織にする為に何より考えていて、逞しい人だったなと感じられました。
特に印象的に残ったシーンは沖田総司さんと土方歳三さんの会話のシーンです。
土方歳三さんの性格を何より理解している沖田総司さんとの会話が笑えるのです。
2人は兄弟のようで、でも沖田総司さんも剣が強くて、、
主人公は土方歳三さんなのに、沖田総司さんの無邪気で陽気な性格が個人的に好きになってしまいました。
沖田総司さんの影響で土方歳三さんの良い所が見えてきたのかなという感じでした。
引き続き下巻も読みたいと思っています。